賃貸マンションに住んでいると、フローリングに傷が付くことってありますよね。
小さな傷なら気にしない人もいるかもしれませんが、退去するときに「この傷は誰が直すの?」と問題になる可能性があります。
この記事では、賃貸フローリングの傷はどの程度までが許容範囲なのか、カビが生えた時や物を落とした時の費用、そして退去時の修繕費用について詳しく解説します。
▼この記事に書いていること
特に「賃貸フローリング 傷 どこまで」と検索している人の疑問を解決できるよう、分かりやすく説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
賃貸のフローリングの傷はどこまでが許容範囲?
賃貸のフローリングの傷はどの程度までが許容範囲なのか、そして修繕費用は誰が負担するのかは「傷ができた原因」によって大きく変わってきます。
簡単に言うと、あなたの「故意」や「過失」でできた傷は、あなた自身が修理費用を負担することになります。
一方、経年劣化や通常の使用による傷は大家さんの負担となることが多いです。
具体的にどのような傷が許容範囲でどのような傷がそうでないのか、詳しく見ていきましょう。
フローリングの耐用年数&経年劣化の目安
フローリングの耐用年数は以下のように種類によって異なります。
種類 | 耐用年数 |
---|---|
一般的な複合フローリング | 10~15年 |
無垢材フローリング | 30年以上 |
経年劣化とは、時間の経過とともに自然と起こる劣化のことを指します。
例えば、日焼けによる色あせや家具の重さで少しへこんだ跡などは、経年劣化とみなされることが多いです。
これらはあなたが特別なことをしなくても起こるため、修繕費用は大家さんが負担するケースが多いでしょう。
ただし、契約書に特別な条件が記載されている場合はその条件に従う必要があるので、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。
火災保険でカバーできる傷は?
多くの火災保険には、「借家人賠償責任保険」という特約があります。
これは、借りている部屋に偶然の事故などで損害を与えてしまった時に、その賠償費用を補償してくれる保険です。
例えば、地震で家具が倒れてフローリングに傷がついたり、子供が誤って物を落としてへこみができたりした場合などは、この保険が適用される可能性があります。
ただし、適用には「不測かつ突発的な事故による破損・汚損であること」が条件とされていることが多いです。
また、保険が適用されるかどうかは保険会社によって異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
【パターン別】賃貸のフローリングの傷をチェック
では、具体的なパターン別に、賃貸のフローリングの傷の修繕費用は誰が負担するのか見ていきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
カビが生えた・腐ったら?
フローリングにカビが生えたり腐ったりした場合、その原因が重要になります。
もし、あなたの著しい不注意(換気をしなかった、水漏れを放置したなど)が原因であれば、あなたが修繕費用を負担する可能性が高いです。
しかし、建物の構造上の問題や雨漏りなどが原因であれば、大家さんの責任となるでしょう。
へこみができた場合は?
フローリングが柔らかいとへこみができやすかったり、すぐへこむことがあるでしょう。
重い家具を長時間置いたことによるへこみは経年劣化とみなされるケースが多く、大家さんの負担となることが多いです。
しかし、故意に物を落としたり何かをぶつけたりしてできたへこみはあなたの過失とみなされ、修繕費用を負担する可能性があるので注意が必要。
費用はへこみの大きさや深さ、フローリングの種類によっても変わってくるので、大家さんや管理会社に確認しましょう。
黒ずみ・白くなる・色落ち等の変色は?
フローリングの日焼けによる色あせは経年劣化とみなされます。
しかし、フローリング上に水滴を放置したり汚れを放置したりすることでできた黒ずみ、白ずみ、変色は、あなたの不注意によるものとみなされる可能性があり、修繕費用を負担する必要があるかもしれません。
変色の場合も故意や著しい不注意によるものかどうかにより、費用負担を誰がするかが異なるので、気を付けましょう。
一部の細かい傷・猫の爪痕は?
細かい傷や猫の爪痕は数が多い、目立つ場所にある、など状態によっては修繕費用を請求される可能性があります。
入居時に敷金を払っている場合はその中から費用がまかなわれますが、不足分については自身で負担しなければなりません。
フローリングに小傷や猫の爪痕を付けないためには、普段からカーペットやマットなどを敷いて予防することが大切です。
賃貸の場合、独断でペット対応のワックスを塗るなどの対策は取れないので、マットを敷くなどの対応をしましょう。
ワックスや床が剥がれたら経年劣化?
ワックスが剥がれたり床材が剥がれたりした場合、経年劣化の場合と、あなたの過失による場合が考えられます。
経年劣化の場合は大家さん負担、過失の場合はあなたが負担する可能性があります。
通常の生活を送っていてもフローリングのワックスが剥がれることは多々あり、この場合は経年劣化とみなされるので、あなたが負担する必要はありません。
しかし、「除光液などの薬品をこぼしてそのままにした」など、明らかな過失がある場合は修繕費用を請求される可能性があるので注意しましょう。
賃貸のフローリングが傷だらけの時の退去費用|修繕費は?
まず前提として、賃貸物件において日常生活でできたフローリングの傷については入居者が負担する必要はありません。
しかし、入居者の過失による傷は自身で負担する可能性があります。
入居時に敷金を払っている場合はその中から費用が支払われますが、不足分については自身で負担しなければなりません。
なお、フローリングが傷だらけの場合、退去費用や修繕費用が高額になる可能性があります。
具体的な費用は傷の程度や範囲、床材の種類によって大きく異なりますが、部分的な補修なら数千円~数万円、全面張り替えとなると数万円~数十万円かかることもあるでしょう。
また、以下のように状態によってかかる費用が変わってきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
物を落とした場合の費用
賃貸物件でフローリングに物を落としてできたへこみなどはあなたの過失とみなされる可能性が高く、修繕費用を負担する必要があるでしょう。
費用はへこみの大きさや深さによって変わります。
へこみができてしまった部分のみ張り替える場合で一般的な複合フローリングだとしても、1㎡あたり5000円~9000円ほどかかることがあるので注意しましょう。
フローリングを張り替える場合の費用
賃貸でフローリングの全面張り替えをするには高額な費用がかかります。
目安としては6畳間で10~20万円程度を見ておきましょう。
しかし、床材の種類や施工方法によっても費用は大きく変わってくるので、具体的な費用については大家さんや管理会社に確認するのがおすすめです。
ワックスが剥がれた場合の費用
通常使用していてフローリングのワックスが剥がれることはほとんどありません。
しかし、あまりにもひどい場合はワックスの塗り直しが必要となり、8000円~2万円程の費用がかかることがあります。
また、無断でワックスをかけると原状回復の対象となり、更に費用を請求される可能性があるので自身で施工しないようにしましょう。
賃貸に6年以上住んだ場合の退去費用
国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』では、クッションフロアについて「6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する」という記載があります。(参考)国土交通省-原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
つまり、6年以上住んだ賃貸物件のクッションフロアについては、借主の負担がゼロに等しくなるという考え方です。
一方、フローリングについては「経過年数を考慮しない」という記載があります。
フローリングの補修は部分的であることが多く、その部分のためだけに経過年数を考えるのは合理的ではありません。
そのため、一般的なフローリングの場合は住んだ年数により価値が減少するという考えが適用されないのです。
クッションフロアにしてもフローリングにしても、借主の著しい不注意や故意の場合には、住んだ年数に関係なく費用を請求される可能性があるので、気を付けて生活しましょう。
賃貸のフローリングが傷だらけ!退去費用に関する知恵袋まとめ
賃貸のフローリングが傷だらけになってしまった場合の退去費用に関する口コミを知恵袋から紹介します。
賃貸退去の際の原状回復費用の中に、フローリングワックス剥離代9380円。フローリングの掃除不足によることでワックス内に汚れが入り込み、一旦ワックスを剥がして、また新しくワックスをかけなければいけないということで賃貸退去時にハウスクリーニング代とは別で、「ワックス剥離代9380円」を請求されました。引用元:Yahoo!知恵袋-賃貸退去の際の原状回復費用・・・
フローリングに椅子の傷がついてしまい、退去の際に3万円を請求されました。引用元:Yahoo!知恵袋-賃貸物件の退去費用について
口コミでは、「退去費用として1万円を請求された」という意見もあれば「10万円以上請求された」という意見もありました。
退去費用に関するトラブルを避けるには、入居時に部屋の状態を写真付きで記録して、契約書をよく確認しておくことが大切です。
不明な点は、大家さんや管理会社に早めに相談しましょう。
賃貸のフローリングの傷がばれない直し方
賃貸のフローリングの傷を自分で直すと、原状回復の対象としてむしろ費用を請求される可能性があるのでおすすめできません。
また、素人による修理はかえって悪化させてしまう可能性があるため、大家さんに相談の上で専門業者に依頼するのが安心です。
それでも小さな傷がどうしても気になる場合には、フローリング用の補修マーカーやクレヨンを使って削れた箇所を目立たなくするという手もあります。
日常生活でできる小さな傷であれば、退去時に費用を請求されることはないので、あまり神経質になる必要はないでしょう。
賃貸のフローリングに傷がついた!気にしないで暮らすには?
フローリングの傷を気にせず暮らすには、カーペットやマットを敷く、家具の脚に保護キャップをつけるなどの工夫をするのがおすすめです。
上記の対策をしてどれだけ気を付けて生活していても、いつの間にか傷が付いてしまうことはあります。
しかし、日常生活でできた傷であれば退去費用を請求されることもないので、あまり気にする必要はないでしょう。
賃貸のフローリングが入居時から傷だらけの場合
入居時すでに傷があった場合は、入居時にその状況を写真や動画で記録しておけば、退去時に修繕費用を請求されることはありません。
反対に、入居時からあった傷だと証明できなければ大家さんや管理会社とトラブルになる可能性があるので、注意が必要です。
大家さんも言いがかりを付けているのではなく、「入居前に全て修繕した」と思い込み請求してしまうことも珍しくありません。
お互いに納得できずトラブルになることを防ぐためにも、入居した日に傷がある箇所は撮影しておきましょう。
賃貸のフローリングはどうしてる?おすすめの傷防止策
フローリングの傷を防ぐには、以下のような対策を取ることが有効です。
- カーペットやマットを敷く
- フローリングタイルを床に並べる
- 家具の脚に保護カバーを付ける
- 家具の床面にクッションシールを貼る
何も付けていない椅子をそのまま引くと、線状の傷が付くことがあります。
そのため、保護カバーやクッションシールを貼るのがおすすめです。
また、賃貸に住んでいて「カーペットを敷きたくないけどフローリングに傷をつけたくない」という方におすすめなのが、置くだけでOKなフローリングタイルを床に並べること。
見た目がおしゃれな上、手軽に傷防止ができるので、近年人気となっています。
また、キッチンなど物を落とす可能性が高い場所には、ラグを敷くなどの対策を取りましょう。
自分でワックスをかけてもいいの?
賃貸物件におけるフローリングのワックスがけは貸主の負担とされるのが一般的で、借主の義務ではありません。
また、借主によるワックスがけは契約書で禁止されていないか確認が必要です。
ワックスの種類によってはフローリングを傷める可能性もあります。
自己判断でワックスがけをしたり施工に失敗したりすると、退去時に原状回復費用を請求されかねないので、注意しましょう。
何も敷かないとどうなる?
フローリング上に何も敷かないと、傷がつきやすくなります。
特に、ペットを飼っている場合や子供が走り回る場合、傷が付きやすいので注意が必要。
また、物を落としてしまってできた傷は退去時に費用を請求される可能性があるので、カーペットやマットを敷いておくと安心です。
まとめ
今回は賃貸物件のフローリングの傷について、以下の内容で紹介しました。
- フローリングの傷は故意なら借主負担
- 日常生活で付いた傷は経年劣化
- 退去費用として10万円以上かかることも
- 独断で修繕すると費用を請求されることがある
賃貸フローリングの傷に関する修繕費用の負担は、傷の原因によって異なります。
故意や過失による傷は入居者負担、経年劣化による傷は大家さん負担となることが多いです。
退去時のトラブルを防ぐためにも、入居時に部屋の状態をしっかりと確認し、写真や動画で記録しておきましょう。
また、日頃からフローリングの傷を予防するための対策を講じることで、修繕費用を抑えることができます。
何か心配なことがあれば、大家さんや管理会社に相談するのがおすすめです。
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