アパートの駐車場に無断駐車してしまい、通報された経験はありませんか?
まさか自分が!と、驚いた方もいるのではないでしょうか。
無断駐車は単なる迷惑行為ではなく、場合によっては法律違反になる可能性もあります。
今回はアパートの無断駐車で通報された際にどうすればいいのか、そして、無断駐車を避けるために知っておくべきことを解説します。
▼この記事に書いていること
無断駐車への対応を誤ると反対に自分が法に問われることもあるので、この記事で適切な対処を確認してくださいね。
アパートに無断駐車|警察に通報されたらどうなる?
アパートの駐車場に無断駐車をしてしまい警察に通報された場合、以下のような対応を取られることがあるので注意が必要です。
それぞれ詳しく解説します。
警察から電話が来る?
アパートの駐車場は私有地なので、警察は基本的には民事不介入です。
つまり、警察が直接介入して無断駐車している車を移動させることは難しいです。
しかし、警察は通報を受けた場合、車の所有者に電話して注意を促すことがあります。
また、無断駐車が道路交通法違反に該当するとき、警察は違反車両に対して対応を取ることもあります。
無断駐車は不法侵入で罪になる?
アパートの駐車場に無断駐車をすると、ごく一部の場合は住居侵入罪に該当する可能性があります。
住居侵入罪とは、正当な理由なく他人の住居などに許可なく不法侵入した場合に成立する罪です。
過去の判例では、「建物に接していて、かつ塀で囲まれた土地はその建物の付属物である」とされています。
そのため、無断駐車は住居侵入罪に該当する可能性もあるのです。
レッカー移動された事例はあるの?
アパートの駐車場に無断駐車され続けているとレッカー移動したくなるかもしれません。
しかし、私有地であっても他人の車を勝手に移動させることは自力救済(違法行為)に該当します。
また、「車に傷が付いた」などの理由で反対に損害賠償を請求される可能性もあるでしょう。
法的手続きをふまずに他人の車をレッカー移動することはできないので、まずは警告文を掲示するなど段階を踏むのがおすすめです。
アパートの無断駐車で罰金はある?
アパートの敷地内(=私有地)における無断駐車は道路交通法や車庫法が適用されないため、罰金を請求することはできません。
「無断駐車は罰金5万円」のような張り紙をされていても法的な強制力はなく、公的な取り締まりも難しいケースが多いです。
しかし、無断駐車は民法上の不法行為にあたるため、状況により損害賠償を請求することはできます。
日時や車のナンバーを控えていたり無断駐車が長期的だったりすると、損害賠償を請求される可能性があるので、やはり無断駐車はしないに越したことはないでしょう。
アパートの無断駐車で張り紙をされたら?
アパートの駐車場に無断駐車をしてしまい車のワイパーに張り紙をされたら、内容を確認し、指示に従いましょう。
多くの場合、張り紙には「無断駐車はご遠慮ください」「次回から警察に通報します」といった警告文が書かれています。
これらの指示に従わないと、さらに厳しい措置が取られる可能性があるので注意が必要です。
また、張り紙には連絡先が記載されていることがあります。
連絡先が記載されている場合は速やかに連絡を取り、対応について確認しましょう。
アパートの無断駐車で写真を撮られた場合
アパートの無断駐車で写真を撮られたり車のナンバーを控えられた場合、それを証拠として損害賠償を請求される可能性があります。
車両ナンバーが分かり正当な理由もあれば登録事項等証明書の請求ができ、車の所有者を特定することが可能です。
所有者の特定ができれば内容証明郵便を送ることができます。
内容証明郵便が届いても無視し続けると、最終手段として行われるのが損害賠償請求です。
必ずしも損害賠償請求が認められるとは限りませんが、上記のような対処をされることもあると念頭に置いておきましょう。
無断駐車で出られなくされた場合
無断駐車をすることで、土地の所有者に損害を与えているのは事実です。
しかし、無断駐車をして「タイヤにロックをかけられた」などの対応により出られなくされた場合、反対に、出られないよう実力行使した人が「自力救済」という違法行為とされます。
ただし、無断駐車した場所や状況よって、法律上どのような対処がされるか異なるでしょう。
無断駐車をして出られなくされた場合、土地の所有者に連絡して今後の対応を話し合うことをおすすめします。
アパートの無断駐車で怒られた!謝罪するときの注意点
無断駐車をしてしまい管理会社や住民に怒られた場合、誠意を持って謝罪することが重要です。
謝罪の際には、以下の点を意識しましょう。
- 謝罪する時間帯に注意する
- 状況を把握し、相手の気持ちを理解する
- 自分の非を認め、心から謝罪する
- 今後同じことを繰り返さないと約束する
謝罪する際はなるべく相手の迷惑にならない時間帯にしないと、さらにこじれてしまう可能性があるので、夜遅くや朝早すぎる時間は避けましょう。
アパートの無断駐車はやったもん勝ち?夜でもバレる?
無断駐車は決して「やったもん勝ち」ではなく、夜間に無断駐車をしたとしてもバレる可能性は高いです。
なぜなら、アパートの駐車場には監視カメラが設置されている場合があり、住民や管理者も注意深く見ているからです。
そのため、無断駐車が100%バレない場所はないと考えておきましょう。
また、無断駐車はごく一部の場合において法律違反となる可能性があり、罰金などの厳しい対応がとられることもあります。
無断駐車は周囲の人々に迷惑をかける行為であり、自分も責任を問われることがある行為です。
必ずルールを守り、適切な場所に駐車しましょう。
アパートの駐車場だけを借りることは可能?
アパートの駐車場だけを借りることは、アパートの管理会社によって可能です。
ただし、空き状況や料金、利用規約は管理会社によって異なるので、事前に確認が必要です。
アパートの駐車場だけを借りる場合、契約内容をよく確認し、ルールを守って利用しましょう。
アパートの来客時の駐車場はどうすべき?
アパートの来客時に駐車場を利用する場合は事前に管理会社に連絡し、駐車の許可を得ることが重要です。
来客が利用して良い駐車場がないのに独断で車を停めてしまうと、トラブルに発展する可能性も考えられます。
来客用の駐車場が用意されていない場合、近隣のコインパーキングなどを利用するなど、適切な対応を心がけましょう。
アパートの駐車場に無断駐車された時の対処法
アパートの駐車場に無断駐車されてしまった場合、以下のような対処をしましょう。
- 管理会社に連絡する
- 無断駐車禁止の警告書を掲示
- 無断駐車の様子を撮影する
無断駐車されたのが個人の私有地であれば自分で対処することになりますが、アパートの駐車場であれば原則として管理会社の対応を待つことになります。
独断で行動して何かあった際には責任を問われてしまうので、冷静に管理会社に連絡しましょう。
無断駐車されたらどこに連絡する?
アパートの駐車場に無断駐車された場合、どこに連絡するか咄嗟に判断できないこともあると思いますが、まずは必ず管理会社に連絡しましょう。
管理会社は無断駐車している車両の所有者に連絡して移動を促すなど、適切な対処をしてくれます。
管理会社が対応できない場合は、警察に相談することも可能です。
私有地については警察が介入することはできません。
しかし、警察に相談することで警察が所有者を照会し、本人に対応を促してもらえる可能性があります。
原則として警察は民事不介入ですが、状況によっては上記のような対応をしてくれることもあるので連絡してみるのも一つの手です。
管理会社が対応してくれない場合
管理会社が対応してくれない場合、無断駐車の様子を写真撮影し、警告文を掲示しましょう。
写真を撮る際はナンバープレートが明確に写るようにするのがポイントです。
また、無断駐車への張り紙については次の項目で詳しく解説します。
無断駐車で張り紙をしても大丈夫なの?
無断駐車の車両に張り紙をすることは違法ではありません。
しかし、張り紙をする際には、以下の点に注意が必要です。
- 車両に傷をつけないよう丁寧に取り扱う
- 脅迫的な内容の張り紙は避ける
- 個人情報が記載された張り紙は避ける
張り紙をする際にガムテープなどを使用して跡が付いてしまった場合、器物損壊などで損害賠償を請求される可能性があります。
また、個人情報を記載してしまうと悪用や報復の危険性があるので、記載しないようにしましょう。
アパートに無断駐車された時の張り紙【例文】
下記は、無断駐車された際に貼る張り紙の例文です。
この例文を参考に、状況に合わせて変更して使用してください。
駐車禁止!
○年○月○日○時○分
車両ナンバー×××× ◎ □□―□□
この駐車場はアパートの入居者専用です。
無断駐車はご遠慮ください。
今後も続くようでしたら、不法行為責任に基づく損害賠償などの
対応を検討させていただきます。
ポイントは「車両ナンバーを抑えている点」「注意喚起をしている点」「今後の対応によっては賠償請求をすると警告している点」で、これらは抑えておきましょう。
なお、「罰金10万円」などの記載をしても法的効力を持たないので、「損害賠償を請求」としておく方が現実的です。
まとめ
今回は以下の内容で紹介しました。
- 無断駐車に警察は原則不介入
- 無断駐車でも勝手に移動するのはNG
- 無断駐車があればまずは管理会社に連絡
- 張り紙をする際は傷を付けないよう注意
アパートの駐車場で無断駐車をするのは法律違反になる可能性もあり、周囲の人々に迷惑をかける行為です。
無断駐車を避けるためにも駐車場のルールをきちんと確認し、適切な場所に駐車することが重要。
駐車する際はルールを守り、トラブルを避けるようにしましょう。
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