退去立会いしないほうがいい?怖い高額請求|サイン拒否は可?

賃貸ノウハウ

今まで住んでいた物件を引っ越すときに行われる退去立会い。

退去立会いは部屋が入居前の状態に戻っているかどうかを確認するため、引っ越す身としては何を言われるのか怖いと感じることも。

中には、「退去立会いで何も言われなかったのに、高額請求がきた」ということも聞かれるため、退去立会いはしないほうがいいのと思う方も多いですよね。

そこで今回は、退去立会いでの注意点やなしでも可能かどうかなどを詳しく解説していきます。

退去立会いの事前チェックポイントや持ち物、当日の流れについてもまとめました。

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退去立会いはしないほうがいい?

「退去の立会いはしないほうがいいの?」と疑問に思っている方の口コミをちらほら見かけます。

その回答としては、退去時の立会いは極力した方がいいという意見が多いです。

立ち会いしないと、現物見て合意できないじゃん。下手したら、解約できないから違約金になるよ。引用元:教えて!goo-賃貸 退去立会い 必要か否か -賃貸物件の退去立会い…

ですが、退去時の立会いは法律で定められているものではないため、立会いしないという選択肢もあります。

では、退去時の立会いをしない場合には、どんなことが起こるのかメリット・デメリットを見ていきましょう。

退去立会いなし&拒否するメリットは?

義務ではない退去立合いに出向くのは面倒という意見も多いため、立会いなしの方が楽というのはメリットですね。

退去立会いが面倒という方の意見では、以下のようなことがよく聞かれます。

  • 不明な修繕などの請求書にサインを迫られた
  • 引越し当初からあった傷なども退去費用に入れられた
  • 専門的なことを言われてもよく分からない  など

メリットというよりも、退去立会いをするメリットがないため「立会いなしにしたい」と考える方も多いようです。

退去時の立会いは、先ほどもお伝えした通り、義務ではありません。

中には、退去時の立会いがない不動産屋も存在します。

私は1年間に2度転居しましたが、いずこも「UR賃貸」でしたので、立ち会わず任せました。引用元:教えて!goo-賃貸 退去立会い 必要か否か -賃貸物件の退去立会い…

退去立会いが面倒という方は、退去立会いなしの不動産屋を選ぶのもおすすめです。

退去立会いなしは高額請求トラブルの元

メリットがないと思う方もいますが、退去立会いなしの場合に潜むトラブルもあります。

立会いなしということは、部屋の修繕などの退去費用を管理会社や大家さんにに任せるということになります。

そのため、思っても見ない高額請求につながることもあるようです。

いやいや、コロナのお陰で退去時の立会い不要って聞いてたけどさ… 築38年~で貸主がセルフリノベの物件で退去費70数万とかおかしいやろ 引用元:X-@aiganneco

退去時の部屋の様子など一緒に確認していないため、請求が間違っていることを証明することできず泣き寝入りになることも。

ですが、退去立会いをした場合でも高額請求トラブルが発生することがあります。

高額請求などのトラブルに巻き込まれないためにも、退去立会いについての注意点を詳しく見ていきましょう。

退去立会いは怖い?賃貸で気をつけること&注意点

高額請求などトラブルもあることから、退去立会いは怖くて厄介と思っている方も多いですねよ。

ですが、退去立会い前にあらかじめ注意点を押さえておけば、スムーズに行えますよ。

退去立会いで気をつけておくべき注意点は、以下の通りです。

それでは具体的にどういうことなのか、1つずつ詳しく見ていきましょう。

①事前にチェックリストで確認

退去立会い前に見落としがないか確認しておくべき、お部屋のチェックポイントを知っておきましょう。

▼チェックポイント

場所 内容
壁(壁紙・クロス)、床 汚れや傷、へこみはないか
水回り 水垢やカビがないか
エアコン
ウォシュレット
換気扇・シャワー
コンロ
照明
故障、破損、汚れがないか
戸(網戸、障子、襖など) 破損や汚れはないか
破損やカビは発生していないか
ドア 破損や開閉のスムーズさ
におい 芳香剤やタバコなどのにおい残り
がないか
破損や紛失はしていないか

どんな部屋でもそうですが、キズなどの破損や汚れ、においなどは退去立会いで指摘されやすいポイントになるので、事前に入念にチェックすることをおすすめします。

賃貸契約時に、特約(原状回復特約)を交わしている場合は、その内容も併せてチェックしましょう。再度、賃貸契約書を確認してみてください。

より細かなチェックポイントとして国交省が出している「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト」というものがあります。

事実関係を明確にし、トラブルを未然に防止するため、入居時及び退去時に次項のようなチェックリストを作成し、部位ごとの損耗等の状況や原状回復の内容について、当事者が立会いのうえ十分に確認することが必要であると考えられる。引用元:国土交通省-原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

退去時のトラブルを防ぐために国が作成したリストなので、万が一裁判等になった場合でも証拠資料として有効と考えられています。

②すぐにサインしない・拒否する

退去立会いで出された請求書に気になる箇所がある場合は、すぐサインしないようにしましょう。

通常、退去費用の請求書は退去立会いから1ヶ月以内に届くことが多いです。

部屋の様子や修繕の有無などを確認し、修繕費や入居者負担額などを計算するのに時間がかかるからです。

そのため、退去立会い日に請求書にサインを求められる場合は、悪徳業者の可能性があります。

退去立会い終了。結論、めちゃボッタくってきた。明細持ち帰って判断しますとお伝えしたら「今日サインしてもらわないと私が困ります」「サインするまで家賃かかります」って言われた。引用元:X-@arasa_fufu

その他にも、あまり見もせずに修繕費を請求されるなど、不審な業者もいるようです。

その場でサインをしなければならない義務もないため、少しでも納得できない場合はサインを拒否することをおすすめします。

③録音・録画する

退去費用の請求書が届くまでに時間がかかるため、退去立会いでのやり取りを確認できるように録音や録画をしておきましょう。

退去立会い時には何もなかった箇所を後日請求されたというトラブルもあります。

立会いして退去の際に請求される分、確認してサインしたにも関わらず、後日、サイン後に確認もしてない項目追加されて請求してきた。引用元:X-@sari__1993

退去立会いを録音・録画しておけば、証拠にもなりますね。

④女性の場合は男性に付き添いしてもらう

一部ですが「入居者が女性だと軽視される」という意見もあるため、心配な女性は男性に付き添いを頼むのも良いでしょう。

退去費用が心配すぎる。女性だと立会いの時になめられるってよくきくし 引用元:X-@ra8idlgm

退去者が女性だと、知らない男性スタッフと二人きりになることや受け答えが十分にできないなどストレスに感じる場合があります。

また、「サインを頼まれ断れずサインしてしまった」「怒鳴られた」など、悪徳業者に引っ掛かってしまうこともあるようです。

中には、女性の入居者の場合は女性スタッフが退去立会いを行うという業者もあるので、女性一人で心細い場合は利用してみてもいいですね。

⑤立会いできない時は代行を手配|本人以外でもOK

何らかの理由で入居者が退去立会いできない場合は、代理人を立てることも可能です。

代理人など本人以外が退去立会いする場合は、事前に物件の管理会社への確認が必要になります。

代理人との退去立会いが可能な場合は、入居者本人による委任状が必須です。

委任状は、管理会社に用意があるため、代理人の可否を確認する際に依頼してみるといいですよ。

また、退去立会い代行サービスの利用も可能です。

退去立会いのプロによる対応で、不正請求やサインの強要などのトラブルを回避することができますよ。

退去立会いで何も言われなかったら安心?

退去立会いで何も言われなかったからと言って安心というわけではありません

その場では何も言わずに確認をする管理会社もいますし、退去立会い後にプロの修繕業者が入りキズなどを見つけるという場合もあります。

立会い時で全てじっくり確認できるとは限りません。 修繕業者が入ってから不具合を見つけることもよくある話です。引用元:(至急)賃貸住宅の立ち会いの際に言われなかった傷を…

そのため、「何も言われなかったから安心していたのに、後から請求書が届いた」という方もいました。

2016年8月に国土交通省から発表された「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、原状回復の費用算定の手順が示されています。

▼退去時から退去費用の精算まで(イメージ)

【退去時】

  1. 物件の状況確認(原状回復義務の有無の確認)
  2. 賃借人の負担割合の検討
  3. 経過年数の考慮の有無と、修繕費用の負担割合を確定

【退去後】

  1. 見積もり費用の確認(修繕計画、費用の算出)
  2. 見積もり費用の合意
  3. 精算(請求書の送付・確認)

(参考):国土交通省-原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)図5

この手順を見ると、退去時にすべてが決まるという訳ではないことがわかりますね。

退去立会い時に何も言われなかったから大丈夫という訳ではないため、注意しましょう。

「原状回復義務なし」と判断される場合などは、精算時に敷金が戻ってくることもありますよ。

賃貸の退去立ち会いは何をする?時間や流れ

賃貸の退去立ち会いでは何をするのか、所要時間や流れを解説していきます。

退去立ち会いの所要時間は、30分~1時間程度をみておくとよいでしょう。

退去立ち会いは、以下のような流れで行われることが多いです。

  1. 荷物を全て運び出しておく
  2. 立会い担当者が物件を訪問
  3. 部屋の各所に破損部などがないか、担当者と確認
  4. 修繕内容や退去立会いについての書類を確認
    (サインを求めらることがある)
  5. 鍵の返却

「サインを求められる」とありますが、その場でサインをしなければならない義務はありません。

修繕費の相場を見たり、相談したりして、納得できてからサインをしましょう。

退去立ち会いはいつ?引越し当日?

退去立ち会いは、荷物を全て運び出してから行うため引越し当日に行う場合が多いです。

中には、退去日の前に新しい物件に引っ越している場合もあります。

その場合は、引越し当日ではなく退去日に退去立ち会いとなることがあります。

引越し当日は、新居の引き渡しや荷物の搬入などやることも多いため、余裕をもって行動したいという方は、引っ越しの翌日などに退去立ち会いを設定するのも◎

解約通知書を提出した後、退去日や退去立ち会いをいつにするかなど、管理会社と相談していきますよ。

退去立ち会いに必要なもの&持ち物

退去立ち会い時に必要なものをご紹介します。

▼退去立ち会いに必要な持ち物

  • 賃貸借契約書
  • 身分証明書
  • 家の鍵(スペアキーも含む)
  • 振込口座の通帳やキャッシュカード
  • 印鑑
  • 筆記用具

その他にも、入居当時からあるキズなどを証明するための写真や入居時の物件状態を確認した「原状回復確認リスト」(国交省)があれば持参することをおすすめします。

退去立会いでは電気つかない状態でOK?

退去立会いに電気の解約をしてつかない状態でも、問題はありません

電気を解約したとしてもブレーカーを上げれば電気はつくからです。

ですが、解約後の電気料金が発生した場合に誰が支払うかという問題が出てくる場合もあるので、大家さんや管理会社に確認しておくことをおすすめします。

中には、賃貸借契約書に「立会い後の解約」を記載している場合や、確認時に立会い後の停止を伝えられたという方もいました。

うちも先日引っ越しをしましたがガスはともかく電気は立ち合い後停止してくださいと言われました。引用元:yahoo知恵-賃貸退去立会日前にガス電気を解約 – 都合により…

契約している大家さんや管理会社によって対応が異なるので、心配な場合は賃貸借契約書や電話で確認するといいですよ。

【Q&A】退去 立会いのよくある質問

退去立会いについてよくある質問をご紹介します。

これから退去立会いが迫っているという方は、ぜひ参考にしてください。

退去立会いに間に合わない場合は?

万が一、退去立会いに間に合わない場合は、大体どのくらいの時間になりそうなのか管理会社や大家さんに連絡を入れましょう。

多少の時間であれば、担当者に待ってもらい退去立会いを行うケースが多いです。

引っ越しと退去立会い日が同日だと、引っ越し作業が遅れると退去立会いも遅れることになるので、時間的に余裕をもったスケジュールを組むことをおすすめします。

ただし、退去日と退去立会い日が同じ場合は、注意が必要です。

解約通知書に記載した退去日は変更できないため、退去日に間に合わないとなると違約金が発生することになるので注意しましょう。

退去立会いには誰が来るの?

退去立会いには、賃貸借契約を交わした管理会社の担当者や大家さんが来ることが多いです。

中には、修繕見積もりを立てるためにリフォーム業者が同席する場合もあります。

退去立会いは多くの場合、入居者と管理会社の担当者または大家さんの2人で行うことになります。

退去立会いで連絡がこない時はどうする?

退去立会いの時間が過ぎているのに、担当者からの連絡がこない場合は、お手数ですが自分から連絡をしてみましょう

引っ越しが重なる時期は特に、管理会社も1日に何件も退去立会いを行うことになるので、時間に遅れたり連絡を忘れていたりする場合もあります。

こちら側の問題ではないため、連絡をしてその後のスケジュールをどうするかを仰ぎましょう。

退去が決まると、管理会社や大家さんと連絡を取る機会が増えます。

もしも、その時からレスポンスが遅いと感じる場合は、退去立会い前日などに確認の連絡をしておくとスムーズかもしれませんよ。

【結論】退去立ち会いはした方がいい

ここまで退去立会いについて解説してきましたが、結論は「退去立会いはした方がいい」です。

理由としては、退去立会いをしないことで起こるデメリットの方が大きいからです。

退去立会いをしないことは、管理会社や大家さんが退去した部屋を確認して退去費用を決めることになります。

万が一、高額な請求をされても、立ち会っていないため間違いを証明することができません。

怖いと思いがちな退去立会いでも、以下の気をつけるべき注意点を意識していればトラブルに遭わずに済みますよ。

気持ちよく引越しをして、新居での新生活を楽しむためにも、退去立会いをして自分の目で確かめることが大切です。

▼参考にしたページ一覧

(参考):国土交通省-原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)図5

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